McGuffin

CULTURE VIDEO MAGAZINE FOR YOUTH

日常を切り取るスケーターカメラマン“Shuho Teramura”と仲間たちが見せた可能性

9月25日~29日の5日間、原宿のArt In Galleryにて、McGuffin編集部と仲のいいスケーターカメラマン“Shuho Teramura“の初の写真展が開催された。

Shuhoくんは、いわゆるSNSで話題のカメラマンであるとか、大物タレントをバシバシ撮っているようなカメラマンではない。

スケーターの日常をリアルに切り取る、ストリートに根差したカメラマンなのだ。

彼の写真を一目見ようと展示会には5日間で予想をはるかに超える約500人が集まった。

レセプションパーティーには、“San Fransisco Peaks“や“Carhartt“など、Shuhoくんと仲のいいストリートカルチャー系ショップのスタッフや、ストリートカルチャーに興味のある若者、原宿周りの美容師などなど、100人余りの人が訪れ、ギャラリーの前の道に人が溢れるほど大盛況だった。

編集部は最終日、ひとけもなさそうな時間帯を見計らってShuhoくんに会いにいってみた。

“いい!と思った瞬間にシャッターを切るっていうのはすごく大切にしてますね”

お疲れさま! 

お疲れ様です! 眠いです(笑)。
昨日夜ここでパーティーやったんですけど人超来ちゃってヤバかったです。

朝ですみません(笑)。今日は色々聞きますね

はい! ぜひぜひ!

もともとスケーターだよね、いつからカメラ始めたんでしたっけ

今ちょうどフリーランスになって二年経ちました。
自分がどんだけの集客が出来て、どれだけの評価をもらえるかっていうのは、写真展を開くのが一番かなって思って、今回は開催しました。実は初開催なんです。

カメラ一本で食べてる

写真の仕事をもらいつつ、今は広告系の動画アシスタントをして生計を立てています。
なのでスチールとムービーの両方を仕事にしています。

シューホくんはストリートに根差した活動をしてると思うんだけど、やっぱり海外のスケーターフォトグラファーとかにインスパイアされました?

インスパイア…でもやっぱり自分は、スケボーとカメラからの知り合いっていうのが凄く多くて。
そういう同世代の身近な人で他にもコーヒー屋やっていたり、ハンバーガー作ってたり、Tシャツデザインしたりしている人がいて、自分も頑張ろうっていう思いにさせられますね。
なので、具体的に誰かから影響を受けたというよりは、仲間に刺激もらってる感じですかね。

“芸術寄りっていうよりは、どっちかっていうと、リアルな見たまま、自分のいいなと思った感覚で撮っている“

そもそも、カメラを始めたきっかけって何だったんです?

きっかけか…。
僕、地元が三重県なんです。
自分の10個くらい上の先輩でカメラマンのナカムラシュウキさんっていう方がいるんですね。その方の写真が別の先輩のお店に飾ってあったのを見て、カッコイイの上をいって、どうやって撮ったんだろう?っていう疑問が沸いたんです。
その疑問を考えている中でどんどん写真の魅力にハマっている自分に気づきました。
なので、その先輩の写真との出会いが大きいですね。

なるほど!
スケーターを中心に撮っていると思うんですけど、他に撮りたいモノはありますか?

自分はどっちかっていうとスケーターよりもファッションの方にこれからもっと進んでいきたいですね。

ということは、この吊るしてあるTシャツも自分でデザインしたり?

そうですね。グラフィックデザインをしている友達のコーキってヤツがいて、そいつとお互い提案しながら一緒に作ったんです。
コレ、“damn you”って書いてあるんだけど、夜中の3時-4時くらいに、ロゴどうするって話になって(笑)。
こう、カッコつけすぎない言葉ってなんかないかな?みたいな。

夜中時に(笑)

そう、夜中(笑)。僕らそのくらいゆるいんすよ。
自分の写真もそうですけど。自分自身もそんなにカッコつけるタイプじゃないので、そういう自分のゆるさをだすロゴとして、ああいうdamn youを3つ並べました。
結果、凄い評判は良かったんですけどね!

スケーターならではの良い意味でのゆるさが持ち味なんですね。たしかに他のカチカチなカメラマンには出せない味が出ているような気がします!

そうですね。色んなカメラマンの方がいると思うんですけど、自分はあんまり芸術寄りっていうよりは、どっちかっていうと、リアルな見たまま、自分のいいなと思った感覚で撮っていると思います。
ここに展示している写真たちはほぼフィルムなんですよ。
その“見た瞬間にシャッターを切る”っていう感覚はすごく大切にしていますね。

内に秘めているものを解放させる場所がインスタではないなって思って”

そういえばなんで原宿で展示会を開こうと思ったの?

実はここの場所、半年前に借りているんですよ。
まだノープランだったんですけど、場所だけ先に抑えたんです。
このArt In Galleryは自分が4-5年前くらいにここの前を通った時に、絶対写真展やるならここでやりたいって思ってたところだったので。
それで、先にお金は全部払って、この写真展のために開催3ヶ月前にサンフランシスコに行ったんです。

何も決まってないのに場所だけ先に抑えるって結構冒険ですね。
撮影地はなぜまたサンフランシスコに? 

海外で撮影したものを載せようと思った時に、昔高校生の時に雑誌とかで見てた風景ってサンフランシスコがすごく多かったんで。
自分LAは行った事あったんですけど、やっぱLAとかになると、どうしても観光地とか観光客が多かったりするなって。
逆にサンフランシスコには、ほんとにリアルな日常があるんですよ。
ストリートでスケボーでしている人がいたり、ホームレスの人がいたり、まあちょっと頭おかしい人も多かったんですけど、そういうのを肌で感じましたね。
一人で10日間くらいいたんですけど。
あ、その時は結構プレッシャーもありましたね。
最初の3日間とかほんと寝れなくて。
ほぼほぼフィルムで撮影したので、現像があがるまでどういう仕上がりかわかんないから、不安でした。
なので、凄い楽しめたよりも、やらないといけないっていう。

使命感が強かったんですね

そうです、それで10日間で約1000枚くらい撮ってきて、そっから現像して50枚にセレクトして、更にそこからどの写真を大きく使うか、っていうのも全部考えながら、最後は額縁も全部一枚ずつ選んで、全部詰め込んで。
そうやって時間とお金をかけて、この3カ月くらいやってきたんですけど、
仕上がりを見たときに絶対これは人に喜んでもらえる、自分の良さが出た作品になったと思いましたね。
実際ここに搬入してみたら、5日でやめるのが勿体無いって思うくらい素敵な空間になりましたけどね。
中途半端にやらなくてマジで良かったなっていう。

サンフランシスコでのヤバイエピソードとかありますか

この白黒の写真撮った時なんですけど。そこはちょっと危ない地区じゃないですけど、離れたところでスケーターが道に勝手にコンクリート塗ってて。

勝手 塗っちゃってたんですか?(

そう(笑)。 自分たちでセクション作ってて、これはヤバいと思って。
怖かったんであんまり近づけなくて、パシャって撮った瞬間、いきなり隣にいた黒人がダッシュで追いかけてきて、スケボーで逃げるっていう(笑)。それしかも初日だったんですよ。

スケボー乗っててマジで良かったですね(笑)

いきなり初日に結構食らってっていう、思いれがある作品がコレです(笑)。

他に特に印象に残ってる写真とかあります?

この一番デカい写真(写真中央)はツインピークスっていう丘の上にいた時に撮影したんです。
たまたまスケボーの音が聞こえると思って、ダッシュで草むらの中をかき分けて、一番いい位置に構えて撮って。
こういう、“瞬間”を捉えるじゃないですけど、感覚を大事に、直感を大事にしています。

被写体は現地で仲良くなった人とかなんですか

それはいないです。
現地で仲良くなるって言うか、すごく思ったのが、あっちの人って他人に無関心なんだなと思って。
気軽に喋って、写真撮らせてもらってその後何も喋んないみたいな、そう言うのが凄い多かったなって。
いい意味で無関心っていうか。
日本人だと結構、喋りかけられたってちょっとドキッとしたりその後もその人のこと覚えてたりとかがあると思うんですけど。
だから、撮影したからといって仲良くなったりとかじゃなくて日本人とは全然違う感覚なんだなと思いましたね。

“夢に向かっている途中だなっていう時に友達として、じゃなくて[仕事として繋がれた]って言うのは凄く嬉しいですね“

なるほど!
予想以上にお客さんが来てくれたって聞いたんですけど、今回の展示で感じたことは何かありますか

今ってインスタでハッシュタグとか色々つければ、フォロワーとか増えていくじゃないですか。
誰でもカメラが手に入るって時代ですし。
自分もインスタとかSNSはやってるんですけど、カッコつけたりっていうのが得意じゃないって言うか、内に秘めているものを解放させる場所がインスタではないなって思っていて。
こういう一発写真展ぶちかまして、みんなに見てもらいたくて。
生で見るのとデジタルで見るのは全然違うので。

そうですね、原宿っていう場所だったり、額縁や並べ方ひとつ取ってみても

そうです、はい、全部こだわってやって。
インスタとかに自分のサンフランシスコの記録はあげなかったんです、あえて。
本当にあげなくてよかったなって言うか、自分の作品がすごいチープになっちゃう気がしたんで、こうやって、あえてあげないって言うのはすごい正解でした。

McGuffinを観ている人の中でカメラマンを目指している人も少なくないと思います

自分、カメラの学校も出てないんですよ。
始めたのが21-22歳くらいで、カメラは持ってたんですけど普通に一般の大学生がカメラ持って写真を撮るって感じで。
ふと友達に写真うまいねって言われて、勘違いで俺カメラマンになれんじゃないかっていう(笑)。
カメラ向いてるんじゃないかって思いから、Fashion Pressでストリートスナップを始めたのがカメラの道に進むきっかけでした。
その時はイケるって、これで食っていくんだって、何故かその時思っちゃって笑。

結構ノリだったんですね(笑)

そう(笑)。
でもやっぱりそっからの挫折だったり、うまく撮れなくてめちゃくちゃ先輩に怒られたりとか、怒られてダメになって怒られて…って感じの繰り返しで5年くらい続いて。
ようやく去年くらいから仕事もちょいちょいもらえるようになってきて、自分の撮ってるものに自信も出てきた感じですね。
そうっすね、だから本当に決心したのは25-26歳とつい最近でしたね。

“San Fransisco Peaks“のケータリング

目標はありますか

一つ一つの仕事を積み重ねていくっていうのが本当に大切だと思っています。
そういう点からすると今は具体的な大きい目標っていうのはなくて、大切なのは過程だと思うんです。
上手く撮れない時とかも絶対出てくると思うんですよ、そういう時に反省して次に活かすっていうのは凄い大切だなと思いますね、本当に。
人から仕事をもらうってことは、その人の要求に答えていくことが凄い大切だと思ってて、ただ自分の撮りたいように撮るって言うよりは、自分の良さを出しつつ、 相手の要求に答えられるようなカメラマンになりたいなって思ってます。
今後10、20年、これだけで食っていくなら、絶対そういうのは必要だなって肌で感じてます。

Shuhoくん

最後に一つ僕からもいいですか?

はい。

今回の写真展、自分は写真を展示したわけですけどTシャツのデザインをやってくれた友達だったり、レセプションパーティーした時に“locoz side coffee“のエータがコーヒー出してくれたり、
“San Fransisco Peaks“のワタルさんがハンバーガーを出してくれたり、お互いの特徴を出しながら、一人一人できることが合わさって、一つのことを達成したことが自分的には嬉しくて。
皆ちょうど20代後半になってきて、自分のやりたいことが確立してきて、夢に向かってる途中だなっていう時に、友達としてではなく、仕事仲間として繋がれたって言うのは凄い嬉しいですね。
こうやって自分たちでいろんなものを作って、人が呼べるって言うのを実感したので、自信にもなるし、これからもどんどん継続して仕事をしていきたいなって言う思いはすごくありますね。

Epilogue

自分一人ではなくて仲間のみんなと作り上げたと話すShuhoくんの笑顔を見て、技術はもちろんのこと、その人柄がこの写真展が話題になった一つの理由であったのではないかと感じた。

今から自分で何かを始めようとしている人たちや、カメラの道に進みたい人へ、“とりあえず挑戦してみること”、“刺激しあえる仲間たちを大切にしていくこと”この二つを大事にしていると語ったShuhoくんの言葉は良い指針になったのではないか。

これからのShuhoくんとその仲間たちの活躍に期待大だ。

Profile

shuho teramura
@shuho_teramura

Text:Asuka Matsumoto

Photo:Shuho Teramura

Direction:Keita Ando